有限会社 大興

大興 山梨県リサイクル認定製品溶融スラグ利用・製造販売

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溶融スラグ スラグの現状と課題

何故進まない溶融スラグの利用促進

山梨県内の広域事務組合において、一般廃棄物焼却灰から製造される溶融スラグが出現してから、早いもので十年を迎えようとしておりますが、何故なのか遅々として有効利用が進んでいない現状を憂慮しているのは、実際に溶融スラグを使用して付加価値をつけた製品の製造をしている私だけではないと思い、今回その要因について原点から検証することとしました。
現在山梨県内に於いては、3個所の公共関与の施設が稼動しておりますが、先ずは大月市にある大月都留広域事務組合の場合、日立造船製のストーカー式灰溶融炉で、平成14年12月に竣工し試運転を終了した段階でゴミの量が少なく焼却灰量がたりないことからか、なぜか本格稼動をしないまま現在に至っていると聞き及んでおります。次に韮崎市にある峡北広域行政事務組合の『エコパークたつおか』でありますが、この施設も平成14年12月に竣工した三井造船製のキルン式ガス化溶融炉で当初から問題が多く、運転開始まもなく爆発による死亡事故が発生する等トラブルが多く、近年では維持管理及び保守費の負担を巡って施工者の三井造船との間で話し合いが続いて居り、同事務組合では6月25日に山梨大大学院の竹内教授を委員長に選出し、管理調査検討委員会を設置して対応することとなっているようであります。しかしながら、同事務組合で製造された溶融スラグには当初から問題が多く、未だかって有効利用された実績が存在しないと聞き及んでおります、なぜならば現実問題としてキルン式ガス化溶融炉では、灰溶融炉のように高温を常に維持しながらの完全溶融が困難だからという単純明快な結果があるからであります、もしもキルン式ガス化溶融炉で灰溶融炉のように完全溶融をしようとした場合には、ゴミの中に含まれる水分の徹底した除去と同時に可燃性のプラスチック類を助然材として大量に投入するか、灯油や重油等の補助燃料を使用し炉内の温度を常に一定の高温域に保持する必要があり、これらには多大の維持管理及び保守費を常に投入しなければならず、決して効率性の良い施設とは言えませんし、出来上がった溶融スラグの重金属類等の有害物質の溶出、含有試験をたとえクリアーしたとしても、次に待ち受けている物理試験(ふるい分け、混合ふるい分け、密度、単位容積質量、実績率、吸水率、微粒分量)や、化学成分試験(酸化カルシウム、全硫黄、三酸化硫黄、金属鉄)及び塩化物量試験、膨張性試験並びにアルカリシリカ反応性試験などに於いて、JIS A 5031の規格値を全て満足させることはほぼ不可能であり、溶融スラグ細骨材として有効利用するにもハードルは高く、現在行っている他県の民間最終処分場での埋立て処分しか方法がありませんが、山梨県では北杜市明野に公共関与の最終処分場が平成21年5月に設置運営されているにも係わらず、行政どうしの見解の相違や意思の疎通の欠如によって、この最終処分場は利用されることもなく、同事務組合では高額な処分費や運搬費用を今後も払い続けなければならないし、かたや公共関与の最終処分場は運用期間が短い上に処分量が少なく赤字経営のため、今後も莫大な県費を投入して維持運営をしなければならない状況は、一県民として到底理解することが出来ない異様なことではないかと思っております。
つづいて当社が製造されたほぼ全量の溶融スラグを有効利用している、富士吉田市環境美化センターについてでありますが、当施設も平成14年12月に竣工した川崎重工製のプラズマ式灰溶融炉であり、良質の水砕スラグが安定的に製造され、磨砕処理された後に磁選機等を使用して金属や異物を除去してからストックヤードに集積し、有害物質(カドミウム、鉛、六価クロム、ひ素、総水銀、セレン、ふっ素、ほう素)の溶出、含有試験を行い、規格値に適合した物だけが当社に搬入されますが、当社ではそのスラグを搬入ロット毎に先ずJISA5031に基づく物理試験(ふるい分け、混合ふるい分け、密度、単位容積質量、実績率、吸水率、微粒分量)を実施し、規格値に適合した物について今度は化学成分試験(酸化カルシウム、全硫黄、三酸化硫黄、金属鉄)及び塩化物量試験、膨張性試験並びにアルカリシリカ反応性試験の全てに合格した物だけが、一般廃棄物溶融スラグ細骨材として、当社工場に於いてコンクリート積みブロック及び高流度エコブロックの原材料として利用されます、当社に搬入された後の一連の試験検査の課程で不適合となったスラグについては、当社産業廃棄物処理施設で製造販売している盛土材SRC40の混合材として有効利用されます、又出来上がったコンクリート積みブロック及び高流度エコブロックのコアーを採取し、タンクリーチ法により重金属類等の有害物質溶出試験を、スラグを混合した盛土材については土壌汚染に係る有害物質溶出試験を実施して安全性の確保を行っております。
又当社は平成19年11月1日付けで、財団法人建材試験センターより、一般廃棄物溶融スラグ細骨材を有効利用したコンクリート積みブロック及び高流度エコブロックについて、日本工業規格適合性認証を取得し本年4月8日には認証維持審査も無事終了しておりますが、このように安全、安心に配慮しつつ厳しい適合性認証を取得していてもエコ積みブロック需要拡大には繋がりません、山梨県では平成16年5月に『溶融スラグ有効利用ガイドライン』を制定し【平成21年5月一部改正】溶融スラグの有効利用を促進すると共に、平成19年8月よりは発注工事ごとに特記仕様書において、基礎砕石や下層路盤材には再生資材である再生クラッシャーランの使用を義務付けると同時に、溶融スラグを利用したエコ積みブロックについても、優先利用につとめるものとするという努力義務を課し、なおかつ工事成績評定において加点処置を講ずるとしておりますが、請負者にも行政の監督員にもこれらのリサイクル資材を率先して利用して行こうという姿勢が見られないのが現実であり、行政当局の姿勢も掛け声だけに終わっている感は到底拭えません。
平成16年に始まった山梨県リサイクル製品認定制度は、山梨県内の再生資源を利用して製造された物をリサイクル製品として認定することにより、再生資源の有効利用及びリサイクル産業の育成を図り、環境への負荷の少ない循環型社会の構築に寄与することを目的とした制度でしたが、本年4月よりほぼその目的は達成したとして順次認定を取り消しし、平成24年3月をもって制度を廃止することが決定しておりますが、なにか釈然としない思いがしてなりません。
山梨県の隣、静岡県の政令指定都市でもある静岡市においても、平成21年12月に山梨県同様に『溶融スラグ有効利用ガイドライン』を制定し、沼上清掃工場と西ヶ谷清掃工場で製造した溶融スラグを原材料とする建設資材製造業者を募集し、製品を製造して貰い市が管理する国道、県道、市道、農道、林道、道路と公共施設敷地内で施工する工事で優先使用していくことが公表されました、しかしながら約半年を経過した現時点においても、思うような成果は得られていないと聞き及んでおります、当社が十年余の歳月をかけて取組んで、ようやく今日の成果を得ている事からすれば、それはあまりにも当然であり、溶融スラグを有効利用しようとした場合の技術の共有が必要と考え、静岡市に対して協力の申し入れをさせて頂いている所であります。
いずれにしましても国、県、市町村といった行政が率先して溶融スラグの有効利用について利用可能な業界に働きかけると共に、製造された製品等については行政の責任において確実に採用すると同時に、需要の拡大策を強力に講じて行かなければ、全国各地に設置されている高額の投資をした施設も、又多額の経費をかけて製造された溶融スラグもゴミを減量化する為の施設、そしてただの廃棄物となって永遠に日の目を見ることはないと考えます。

平成22年7月5日

有限会社 大興 代表取締役 大貫 信義

 

2008年度における溶融スラグの現状

2008年7月に、住友大阪セメント(株)が50%出資している、藤沢市の六会コンクリート(株)が製造しJIS認証製品として、レディーミクストコンクリートに細骨材(砂)の替わりに溶融スラグを使用して出荷していた事が露見しました。
このことは、コンクリート打設面にポップアウトと呼ばれる膨張剥離が発生したことにより、関係者の知るところとなりました。
では何故ポップアウトと呼ばれる膨張剥離が発生したのでしょうか?、そのキーワードが溶融スラグにあります。
コンクリート用溶融スラグ骨材とは、平成18年7月20日に制定され平成19年6月4日に改正されたJISA5031では、一般廃棄物、下水汚泥又はそれらの焼却灰を溶融固化したコンクリート用溶融スラグ骨材として規定しており、重金属類等の有害物質(カドミウム、鉛、六価クロム、ひ素、総水銀、セレン、ふっ素、ほう素)の溶出量及び含有量について一ヶ月に1回以上、又塩化物量並びに膨張性についても一ヶ月に1回以上の検査を義務付けております。
化学成分(酸化カルシウム、全硫黄、三酸化硫黄、金属鉄)についても三ヶ月に1回以上、アルカリシリカ反応性は六ヶ月に1回以上及び安定性試験については一年に1回以上の検査が要求されております。
しかしながら今回問題となった溶融スラグ骨材は、横須賀市にある産業廃棄物処理を行う、(株)リフレックスが製造した一般廃棄物、産業廃棄物、特別管理産業廃棄物,飛灰を原料とした溶融スラグであり、先に述べた基準を満たしていない可能性が非常に高く、なかでも塩化物量並びに膨張性(膨張率2%以下)については基準値を大幅に超えていると推測できます。
2007年度末の時点で、全国では180以上の溶融施設が稼動しており、年間では80万トンもの溶融スラグが製造されておりますが、その内いったいどれだけの溶融スラグが有効利用されているのでしょうか?
エコスラグ利用普及センターのホームページによれば、道路用骨材(路盤材)に利用が約30%、コンクリート用骨材に約25%、盛土材及び埋戻しや覆土材に約20%、その他最終処分場を含むが25%となっておりますが、現実にはプラントメーカーや灰溶融或いは直接ガス化溶融なのかによって製造される溶融スラグの品質は大きく異なり、利用されている溶融スラグの性状や実態は全くといってよいほど不透明であると考えるのがもっとも妥当ではないかと感じております。
私どもが現在使用している山梨県富士吉田市環境美化センターは、川崎重工製のプラズマ式灰溶融施設で水砕スラグを製造し、磨砕処理をした後に溶出試験、含有試験、塩化物量並びに膨張性試験、化学成分試験、物理試験等規定されている全ての試験検査を実施しておりますが、膨張性(膨張率2%以下)については過去三回ほど基準を上回ったことがあります、検証の結果それらは全て年末から年始にかけての大量の分別が完全でない、ゴミ焼却灰を原料に溶融固化されたスラグであることが判明しております。
最大の要因は調理用アルミホイルや鍋焼きアルミ容器等アルミ系廃棄物や金属鉄が通常の時期に比べて数十倍含まれている為と推測し、焼却前の分別に努力しておりますが、年末から年始にかけてのゴミの量は僅か十日ほどで通常の一ヶ月分を遥かに超える量であるため、分別を徹底するように市民やボランティア団体に呼びかけているようですが、その対策には困難を極めているようであります。
製造者である富士吉田市環境美化センターと当社は、常に情報の共有と同時にその対策についても密接な関係を維持しており、特にコンクリート用溶融スラグ骨材として使用が困難な溶融スラグについては、当社が山梨県リサイクル認定製品として認定を受けている下層路盤材SRC-40の混合材として有効利用を図っております。
当社では2007年11月1日付けで財団法人建材試験センターにより、一般廃棄物溶融スラグを使用したブロック式擁壁の、即時脱型エコ積みブロック及び自立型高流度エコ積みブロックについても、日本工業規格適合性認証を取得しておりますが、認証取得後一年を経過する現在に至っても国、県を初めとする行政機関の認知度や積極的かつ有効利用を推進する姿勢には疑問があるように考えられます。
山梨県では、県土整備部、森林環境部、農政部においてエコ積みブロック等、山梨県リサイクル認定製品を積極的に使用した場合に、工事成績評定において加算点を与える処置を講じておりますが、一般競争入札により低額落札が幅を利かせているため、加算点は欲しいけれども工事の採算を考えると、少しでも安価な材料でとりあえず完成すればよいと言う姿勢が大半を締めているのが現状であると認識しております。
特に溶融スラグの製造者である富士吉田市及び関係町村の積極採用の姿勢には、極めて遺憾な状態であると考えられますし、資源循環という考えや地産地消の面からも設計段階から積極的に採用し、施工業者には使用を義務付けるなどの処置を講じなければ、山梨県のみならず全国どこであっても、溶融スラグの有効利用どころかハードルの高い日本工業規格適合性認証を取得しようという、前向きな製品製造業者も育たないのではないかと危惧するところであります。
コンクリート用溶融スラグ骨材に関する日本工業規格JISA5031は、先にも述べました六会コンクリート問題を契機に、2009年6月をめどに改正されるとの情報が漏れ伝わって来ておりますが、何れにせよ溶融スラグ製造業者と溶融スラグ利用者の相互理解と共にコンプライアンスやトレーサビリティの確保が最重要であり、溶融スラグ骨材を利用した安心安全なリサイクル製品を安定供給すると同時に、廃棄物の減量化並びに枯渇する最終処分場の延命を真剣に考えた時、溶融スラグの有効活用に必要な諸施策については、国、県をあげて早急に取組む必要性を強く感じております。


平成20年12月25日

有限会社 大興 代表取締役 大貫 信義

 

 

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